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GM plus(+)Biz グローレブランドの「必然的」路線変更


メーカーは、製品開発にあたり必ず購入者のターゲットを絞って開発を行う。しかし、そんな綿密な予想を超えて消費者が予想外の行動をおこすことがある。例えば、女性向け商品として開発したのに男性にも支持された、メインのお菓子よりおまけの玩具に人気が集中したなど多くはないものの少なくない例が存在する。このような現象がゴルフ界にも起きた。

2013年国内女子ツアー開幕戦モデル別使用率NO.1

女子ツアーが開幕してすぐ、テーラーメイドのサイトにこのようなページが載った。「使用率NO.1」のクラブとは、テーラーメイド・グローレのドライバー、フォージドアイアンの使用率を指す。多くのゴルファーは、この事実について驚きや違和感を持たれたことだろう。

なぜならば、グローレはテーラーメイドの新機軸のブランド。スリクソンのXXIO、ブリヂストンのPHYZへ対抗しうるブランドとして、国内のシニアゴルファーをターゲットとして立ち上げられた。当然のこととして、シニアゴルファーの悩みを改善すべく多くの新技術や既存技術の改良がすすめられた。2012年3月発売当時からグローレシリーズの評価は高く、青木功プロの絶賛ぶりを多くの方が覚えておられるだろう。「シニア向けクラブ」と「女子プロ使用」がイメージとして合致しないのは当然である。

この現象が起きた答えはシンプルだ。グローレ製品の品質は開発側の思惑を以上に高かったということだ。先の女子ツアーでグローレを選択したプロの約3分の2はテーラーメイド契約外のプロ。この数字だけでも、いかにグローレが女子プロ選手から評価されていたかがわかる。

テーラーメイド側はこのような動きは、もっと前から把握していたのだろう。2012年12月に発売されたグローレからの派生ブランド「グローレ・リザーブ」シリーズには「シニア向け」のイメージはない。グローレブランド発表時に、これでもか!と流された「シニア向けアピール」の広告は鳴りを潜めた。

今後、グローレはテーラーメイドの特定世代向けブランドではなく、価格帯を軸とした全世代的ブランドへと変化していくことだろう。そのような動きに対応できる体制もテーラーメイド側には整っている。グローレブランドの成長は今後、一気に加速する可能性を秘めている。

「品質の追求の結果、メーカーの思惑を超えたクラブが出現した」という現象は、本来は日本メーカーから起きてほしいものだ。ただ、グローレという思わぬ強敵の出現への対抗策を講じるプロセスの中で、日本のゴルファーを唸らせるクラブが出現する可能性もあるだろう。日本メーカーの奮起に期待したいものである。

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