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YAMAHA。技術で勝って、ビジネスも勝て!


2012年は、「ヤマハ」のシーズンだった。同社と契約する賞金王、藤田寛之プロと谷口徹プロが大活躍。技術に一家言ある2人のプロが愛用するクラブ。職人気質のメーカーの努力が結実したシーズンでもあった。しかし、ビジネスとしてヤマハを見ると、脆さが気になるメーカーでもある。好きなメーカーだけに残念だ。ビジネスとしてのヤマハの課題は、現在多くの日本の製造業が抱える課題でもありそうだ。

「ヤマハは嫌いだ」と口にするゴルファーにあまりお目にかかったことがない。たぶんあなた自身もあなたの周辺のゴルファーも同じだろう。職人気質を好む日本人にとって、技術に徹底的にこだわるヤマハのメーカーとしての姿勢は、シンパシーを感じるに値するメーカーなのだ。ヤマハが「機会があれば」チャレンジしたいメーカーの一つであることは、間違いないだろう。

では、あなたのゴルフクラブセットの中に、ヤマハのクラブは入っているだろうか?

「イエス」と答えたゴルファーは、きっとそれなりに満足しているはずだ。ヤマハの製品は、それくらいの実力がある。「ノー」と答えたゴルファーの理由の大半は、「まだ、ヤマハを手にしてみようという気にならない」ということだろう。国内2強のD社、B社を愛用しているゴルファーならば尚のことだ。言い換えると、ヤマハは潜在的な市場を国内に抱えていることになる。であるならば、「魅力的に見える隣の芝生」として自社の製品をより青くみせる努力はビジネス的に重要な戦略となるだろう。

それが「inpresX」ブランドの育成ではなかったのか?

「inpresX」シリーズの2013年の展開は、このRMX(リミックス)が担うのだが、その新作発表会で前面に出たコピーが「解体」であった。ヘッドとシャフトを別売りすることから「バラバラ」にするイメージからそれが来ているのだろう。現状に安住せず、新しい試みをするヤマハらしさであるし、こういう挑戦は大歓迎である。

ただ、問題はメーカーが発するメッセージがなぜ「解体」なのだろうか?ということである。

私達ユーザーは、そのバラバラに売られたヘッドとシャフトをどのように組み合わせ、自分のゴルフに役立てていくかにこそ関心があるのだ。「解体の先」こそが、私達にとって重要なのだ。もちろん、興味があるゴルファーやコアのユーザーは有料雑誌を買って、使い方をマスターしようとするだろう。しかし、「これからのヤマハユーザー」にとってはこのような訴え方では、ヤマハの敷居は高く感じるのではないか。

「日本の家電メーカーの機能は、むずかしすぎるものが多い。多機能についていかない消費者も増えている」通販大手ジャパネットたかた(長崎県佐世保市)の高田明社長は、数年前にこう発言している。多機能を謳う一方で、ユーザーにとって理解の難しい機能を搭載する日本の家電メーカーの姿勢に疑問を呈している。販売の最前線に立つ同氏にとって、この疑問はより切実に感じたのだろう。新しい機能がユーザーにとってどんなメリットがあるのか?それをはっきり示さない、示せない日本の家電メーカーのうち数社は数年後の現在、巨額赤字に転落した。同氏の発言は、この未来を予測していたかのようだ。

ヤマハに限らず、日本のメーカーの技術の追求は、決して衰えさせてはならないストロングポイントである。しかし、これからの時代は、それだけでは不十分である。自社の製品を使えば、どのような未来が待っているかを強く訴える必要がある。その機能が、いかに新しく、いかにユーザーの未来を変えることができるのか。それを強く示す必要がある。例えば、アップル社のiPadの企業向けCMはそれが端的に出ている。自社製品を手にしたときのイメージをいかに喚起させることができるか。そのアピールがより強く求められる時代になったのである。

私は、ヤマハのメーカーとしての潜在能力を高く評価している。一方で、日本のメーカーの多くが抱える問題を克服できていないとも感じている。「inpresX」ブランドは、ぜひ大切に育ててもらいたい。発するメッセージは創造的であるべきだ。「解体」では未来を語っていることにはならない。私達は、「inpresX」を使えば、こんな楽しいゴルフライフが待っているという未来が見たいのである。

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