被災してしまった時にまず行うこと【暮らしの情報】
大雨に台風、地震など、過去にない異常気象や大災害に見舞われることが多いと感じます。近年では、今まで被害に遭っていなかった様な地域でも起こっています。万が一、被災してしまったら!? と考えたことはありますか? あまりのショックで茫然自失、どこから手をつけていいかわからないという事態に陥ることは想像に難くないことでしょう。いざという時、何から始めればいいのか?調べるのも困難となる可能性があります。防災対策の一環として、万が一被災した場合の知識を備えておきましょう。
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1. 被害状況の写真を撮っておく
自然災害や火災に遭ってしまった時には、どのくらいの被害を受けたか自治体に申請をします。調査員によって被害状況の調査が行われ、その後、罹災(りさい)証明書が交付されます。何から手をつけらたいいかわからず、すぐに片付けたくなりますが、被害状況全体をまず自身でも把握しておき、記録しておくことが後々役に立ちます。
◆家の外の写真の撮り方のポイント
カメラ・スマホなどでなるべく4方向から撮る。
浸水した場合は浸水の深さも分かるように撮る。
◆家の中の写真の撮り方のポイント
被災した部屋ごとの全景を撮る。。
被害箇所の「寄り」にて撮る。。
※キッチンや洗面台などの住宅設備、家電、自動車、物置、農機具などの被害状況も撮っておきましょう。
2. ライフラインについて
電気・ガスは、通電火災、ガス漏れ、爆発などの二次災害の危険性があります。また、水は復旧したとしても濁っていたり、井戸水の場合は細菌などで汚染されている可能性があるので注意が必要です。
◆電気を復旧させるときの注意点
①避難などで家を離れるときはブレーカーを切っておく。
②停電時は、すべてのコンセントからプラグを抜く。
◆電気を復旧させるときは
①ブレーカーがすべて「切(OFF)」になっているか確認
②アンペアブレーカーを入れる
③漏電遮断器を入れる(ON)
④安全ブレーカーを一つずつ入れる(ON)
※安全ブレーカーをONにしても、漏電遮断器が再び自動的に「切(OFF)」になってしまう場合は、漏電のおそれがあります。ブレーカーを切ってください。
◆ガスを復帰させる前に
①ガスのにおいがないか確認
②ガス漏れのおそれがある場合は窓を開ける。換気扇や火は使わない
③プロパンガスはガスボンベを点検
④ガスボンベが元の位置から動いてしまっていた場合は、復帰する前にガス業者に点検してもらいましょう。
⑤ガス漏れや異常がなければ、マイコンメーターでガスを復帰
※マイコンメーターは、震度5相当以上の大きな揺れを感知すると、自動的にガスを止めるメーターです。
◆ガスの復帰の仕方
【都市ガスの場合】
①すべてのガス機器の使用を止める。
②ガスメーターで赤いランプの点滅を確認。復帰ボタンのキャップを手で左に回して外す。
③復帰ボタンを奥まで押し、ランプの点灯を確認したら手を離す。
④3分ほど待って赤いランプの点滅が消えたら使用可能。復帰ボタンのキャップを元に戻す。
詳しくはこちら
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【LPガスの場合】
①器具栓と未使用のガス栓をすべて閉める。
②左側のボタンを押す「ガス止」の文字が消える。
③液晶の文字とランプが点滅したら1分間待つ。
④液晶の文字とランプが消えたら復帰完了。ガスが使用可能に。
詳しくはこちら
↓
ガスの復帰方法については、下記のウェブサイトでも確認できます。
※動画や多言語でも紹介されています。
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- 日本ガスメーター工業会
※ガスが復帰しない場合は、ご契約のガス会社にご連絡ください。
◆水やトイレが使えない時
災害で水道が止まると、避難所などで給水が行われます。また、水洗トイレが使えないときは、簡易トイレを作って問題を解決しましょう。非常用持ち出しバッグの中に、登山用などの携帯トイレを入れて常備しておくといざという時に役に立ちます。
水道が復旧した場合、水が濁っていることがありますので、最初は十分に水を流してから使ってください。浸水による被害があった場合、井戸水は細菌などで汚染されている可能性がありますので、必ず水質検査を受けて安全が確認されてから使いましょう。
また、大きな地震や浸水などが発生したときは、トイレなどの生活排水を処理する浄化槽も被害を受けている可能性があります。そのままトイレの水を流すと汚水が漏れてしまいますので、トイレを使用する前に、浄化槽が使えるかどうかを確認してください。
3. 片付けや修復作業をするとき
被災した住まいの片付けや修復作業は、ほこりなどを避け、釘や木材などでけがをしないような服装で行いましょう。焦らずに、体調を管理しながら作業を進めましょう。ボランティアの支援が得られることもありますので、手助けが必要なときは、災害ボランティアセンターに相談しましょう。
※災害後は、修復作業の請負いを装う詐欺が発生する傾向がありますので、十分注意してください。
◆作業時の服装と注意点
・クギや木材でケガをしないよう肌の露出を避けます。
・ホコリや砂を避けるようマスクなどをします。
・こまめに水分を取り、休憩をとることも大切です。
◆ボランティアに依頼する大きな災害のときは、市町村の社会福祉協議会などに災害ボランティアセンターが設けられます。家の片付けや修復作業などの手助けが必要なときは災害ボランティアセンターを通じてボランティアの派遣を依頼しましょう。
4. 住まい・生活への公的支援について
◆罹災証明書の発行手続き
発行の窓口は市区町村です。申請すると市区町村職員による被害認定調査が行われ、後日、調査結果に基づき罹災証明書が発行されます。罹災証明書は、災害による住宅の被害の程度を証明するものです。支援金や災害義援金の受け取り、税金などの減免、仮設住宅への入居申請などの際に必要となります。
・手続には、申請書・身分証明書などが必要になります。
・詳しくは、お住まいの市区町村にお問い合わせください。◆被災者生活再建支援金
被災者生活再建支援法が適用されると、住宅が全壊するなど著しい被害を受けた世帯は、最大300万円の支援金を受けることができます。
支援金は、住宅の被害程度に応じた「基礎支援金」と住宅の再建方法に応じた「加算支援金」を合わせた額になります。単身世帯はその3/4です。現金で支給(振込)され、使途に制限はありません。
◆仮設住宅など当面の住まいのあっせん災害救助法が適用されると、民間賃貸住宅を借り上げた「賃貸型応急住宅」や新たに建設する「建設型応急住宅」への入居が、都道府県や市町村によってあっせんされます。また、公営住宅、UR賃貸住宅、国家公務員宿舎などがあっせんされることもあります。
◆住宅の応急修理
お住まいの市区町村に災害救助法が適用された場合、半壊した住宅の居室、台所、トイレなど日常生活に必要不可欠な部分の応急的な修理の支援が受けられます。修理限度額は一世帯当たり59万5千円です。資力のない方が対象ですが、大規模半壊では資力を問いません。
また、令和元年8月28日以降に発生した災害では、一部損壊(損害割合10%以上20%未満)の場合にも、一世帯当たり30万円を限度として支援が受けられます。
なお、この支援は、都道府県または市区町村が修理業者に修理作業を委託し、その費用を支払うもので、被災者に費用が支給されるものではありません。
◆障害物の除去
お住まいの市区町村に災害救助法が適用された場合、住家の全部または一部に土石や竹木等の障害物が運び込まれ、日常生活に支障をきたすような場合、これらの土石や竹木等の除去に対する支援が受けられます。費用の限度額は一世帯当たり13万7千9百円以内です。自力では当該障害物を除去できない方が対象です。
なお、この支援は、都道府県または市区町村が修理業者に修理作業を委託し、その費用を支払うもので、被災者に費用が支給されるものではありません。
5. 日頃から最低限これだけは用意しておきましょう
◆食料・飲料・生活必需品などの備蓄
(人数分用意しましょう)
防災のために特別なものを用意するのではなく、できるだけ、普段の生活の中で利用されている食品等を備えるようにしましょう。
こちらもご参考に!過去記事↓
もしもの備えに!「どこから始めればいい?」食品備蓄のコツ
◆非常用持ち出しバッグの準備
自宅が被災したときは、安全な場所に避難し避難生活を送ることになります。非常時に持ち出すべきものをあらかじめリュックサックに詰めておき、いつでもすぐに持ち出せるようにしておきましょう。
◆家族で安否確認方法を決めておく
別々の場所にいるときに災害が発生した場合でもお互いの安否を確認できるよう、日頃から安否確認の方法や集合場所などを、事前に話し合っておきましょう。災害時には、携帯電話の回線がつながりにくくなり、連絡がとれない場合もあります。災害用伝言ダイヤルや伝言板を利用しましょう。
◎災害用伝言ダイヤル
局番なしの「171」に電話をかけると伝言を録音でき、自分の電話番号を知っている家族などが、伝言を再生できます。
※一般加入電話や公衆電話、一部のIP電話からご利用できます。
※携帯電話・PHSからもご利用できます。詳細は以下のページをご覧ください。
◎災害用伝言板
携帯電話やPHSからインターネットサービスを使用して文字情報を登録し、自分の電話番号を知っている家族などが、情報を閲覧できます。
◆避難場所や避難経路、確認しておく
いざ災害が起きた時にあわてずに避難するためにも、お住まいの自治体のホームページや国土交通省ハザードマップポータルサイトなどから防災マップやハザードマップを入手し、避難場所、避難経路を事前に確認しておきましょう!
◆家具の置き方、転倒防止をしておく
・家具が転倒しないよう、家具は壁に固定しましょう。
・寝室や子ども部屋には、できるだけ家具を置かないようにしましょう。
・置く場合も、なるべく背の低い家具にするとともに、倒れた時に出入り口をふさいだりしないよう、家具の向きや配置を工夫しましょう。
・手の届くところに、懐中電灯やスリッパ、ホイッスルを備えておきましょう。
こちらもご参考に。過去記事↓
大雨や台風に関する防災、減災の知識を身につけましょう。出典:
政府広報オンライン 住まいが被害を受けたとき 最初にすること
首相官邸 災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~
- 日本ガスメーター工業会