働き盛りのがん治療。仕事との両立は?【お役立ちコラム】
がん検診の実施が進み早期発見につながるケースや、
医療技術の進化により、
がんは必ずしも不治の病ではなくなってきています。
手術を受けても入院日数は短くなり、
その後の治療は在宅・通院となるケースが増えてきました。
同時にがんになっても、働きたいと考える人も増えています。
実はがん患者の3割は働き盛りの人達。
がんを取り巻く治療環境やイメージは変化しつつも、
治療と仕事の両立など、
がん患者の方の就業継続の問題がクローズアップされています。
◆働きながらがん治療を続ける方のデータを見てみましょう。
がんと診断された時に働いていた人のうち、がん治療中に所得が月10万円以上減った人は約5割です。がん治療にはお金がかかります。治療費が家計に影響を与えるだけでなく、がん治療にともない、所得が変化する場合もあります。
出典:アフラック・知っておこう がん治療の変化とお金 「休業・休職の経験割合」
出典:アフラック・知っておこう がん治療の変化とお金 「休業・休職の経験割合」
◆厚生労働省が発表している調査結果、
がん診療連携拠点病院相談支援センターにおける相談で最も多い相談の内容は、
Photo by jk1991. Published on 06 August 2016
Stock photo – Image ID: 100446477
社会保障や経済面での相談で、全体の86.3%です。
また「『働くこと』に関する相談や話の内容」で最も多いのは、
生活費・治療費・保険などの経済面について→64%。
続いて、仕事と治療の両立の仕方→39%
という結果です。
がん治療で休職すると、期間が長期になるほど離職につながる傾向があります。
治療をしながら働くことに影響を及ぼす要因は、
薬物療法による副作用、脱毛や倦怠感、体力の低下、
治療・通院時間の確保が難しいといったことがあげられますが、
状況や心理的にも、
多くの方が職場へ迷惑をかけてしまうことを気にしています。
治療をしながら仕事を続けることを希望する人の
ニーズは高まっているものの、
休職後に復職することが困難な状況になったり、
まだまだ治療と仕事の両立を支援する環境が
十分に整っていないのが現状です。
そして、今回ご紹介した調査結果の通り、
治療環境が進んでいくと同時に
「働く」ことを選択しても、
経済面での問題や心配事が大きいことがわかります。
いまや日本人の2人に1人が一生に一度がんを経験するという時代です。
がんを恐れるのではなく、「生きていく」ことを考えて備えることが大切です。
(編集部・anan)