旅行予約サイトを安心して利用するために【注意ポイント】
パソコンやスマートフォンなどから手軽に旅の手配ができる「旅行予約サイト」。国内旅行でも海外旅行でも、店頭に行く機会は減り、数多くの旅行予約サイトが利用されていますが、一方で旅行予約サイトに関するトラブルも起きています。コロナも落ち着き、旅行予約サイトを利用する機会も増えていくことでしょう。今回は、安心して旅行サイトを利用できるよう知っておくべき注意ポイントを紹介します。
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◆どんなトラブルが起きているのでしょうか。
※オンライン旅行取引を行う業者は「OTA(Online Travel Agents/オンライン旅行取引事業者)」と呼ばれています。以下OTA。
国民生活センターに多く寄せられた相談内容は、
キャンセルに関連した消費者とOTAの行き違い。
例えば、消費者は「常識的にはまだキャンセル料が発生しない時期」と考えてキャンセルを申し込んだが、OTAは「旅行予約サイトに示した契約条件ではすでにキャンセル料が発生する」としてキャンセル料を請求されるケース。
また、消費者は「旅行予約サイトには『キャンセル料なし』と書かれていた」と読み取ったが、OTAは「旅行予約サイトには、『条件によってはキャンセル料が生じる』旨を示している」と主張するケース。
その他、消費者は旅行予約サイトで「朝食付き」の宿泊を申し込んだつもりだったが、実際に行ってみたら「朝食なし」の宿泊となっていた、といった相談もあります。
このように旅行予約サイトの中には、契約条件や申込内容などが記載されているものの、それらがわかりにくいために消費者とOTAの間に認識のズレが生まれ、トラブルとなるケースが多いことがうかがえます。
オンライン旅行取引の窓口となる旅行予約サイトには、ビジネスのスタイルや運営事業者によって、現在「国内OTAが運営するサイト」「海外OTAが運営するサイト」「場貸しサイト」「メタサーチ」という4つのタイプがあります。
【国内OTAが運営するサイト】
日本の法律(旅行業法)に基づいて登録行政庁(観光庁または都道府県)に登録し、日本国内に事業拠点を持つ旅行業者が運営するものです。この事業者の多くは日本での旅行取引の経験と実績を持っています。日本の消費者が旅行商品を選ぶ際に、どのような情報をどのような優先順位で求めるかといったことについても、これまでの広告宣伝やパンフレット作り、顧客対応などを通じて経験を積んでいます。消費者の側も、そうした旅行業者の情報提供のやり方に慣れていると考えられます。
【海外OTAが運営するサイト】【場貸しサイト】【メタサーチ】
「海外OTAが運営するサイト」「場貸しサイト」「メタサーチ」などの旅行予約サイトの多くは、日本での旅行取引の経験が少ない(あるいはほとんどない)事業者や異業種から新たに参入した事業者などが運営するものです。それぞれにサイトに掲載する情報の内容や見せ方によっては、従来の旅行パンフレットなどのスタイルに慣れた消費者にとってわかりにくい場合があるとみられます。
また、海外OTAが運営するサイトの中には、消費者からの問い合わせ対応について、受付時間が日本の時間帯に合わなかったり、受付スタッフの日本語能力が低く意思が通じにくかったりするなど、問い合わせに対する体制が不十分なものもあり、そうしたこともトラブルにつながっているとみられます。
◆旅行予約サイト選びのチェックポイントは?
交通機関や宿泊先など、魅力的で安価な旅のメニューが盛りだくさんの旅行予約サイトでも、予定の変更やキャンセルあるいは交通機関の遅延などの突発事項が起きた際に、適切な対応ができる事業者かどうかを確認しておくことも大事です。
OTAガイドラインを踏まえて、信頼できる旅行予約サイトを選ぶためのチェックポイントをご紹介します。
(※観光庁では、OTAや旅行業者、関係団体に対し、このOTAガイドラインの周知と遵守を要請しています。)
||予約サイト利用時のチェックポイント||
- 1. 事業者の基本情報が分かりやすいか
- ・事業者の名称
- ・住所
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- ・代表者等の氏名
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- ・旅行業登録の有無
サイト名だけでなく、「企業名」「事業者名」「住所」も確認しましょう。住所は国内か海外かも確認を。
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国内の旅行業者の場合は、旅行業登録の有無を確認しましょう。日本国内で旅行取引を行う事業者は旅行業登録を受けていることが必要です。登録を受けているかどうかは、ウェブサイト上に記載された登録番号で確認することができます。また、登録行政庁(観光庁または都道府県)に確認することもできます。旅行業登録を受けた事業者は、日本の法令(旅行業法など)に基づいて取引を行うことが義務づけられています。
旅行予約サイトでも、他の旅行業者の旅行プランの比較・紹介のみを行う「場貸しサイト」や「メタサーチ」は、直接旅行取引を行わないため、旅行業登録は不要となる場合もあります。
海外に拠点がある事業者は、日本の旅行業法の登録を受けていない場合がほとんどです。その場合、利用規約の内容が、国内の旅行業者のものと大きく異なることもありますので、内容をよくご確認ください。2. 問い合わせ対応の記載が十分か
- ・問い合わせ連絡先
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- ・問い合わせ受付時間
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- ・問い合わせ対応言語
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トラブルが起きたときの受付体制について予め確認しておきましょう。なお、ウェブサイトによっては、日本語での対応が十分になされない可能性もあります。日本語に対応した問い合わせ先が設置されているかもチェックしておきましょう。
3. 契約条件が確認しやすいか
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- ・契約当事者
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- ・支払代金額・内訳(運送・宿泊代金/手配料金/消費税など)
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- ・支払方法(先払いなのか、現地払いなのかなど)
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- ・キャンセル条件
- ・利用規約・約款
旅行予約サイトには、他の旅行業者の旅行プランの比較・紹介のみを行うものもあります。このようなサイトの運営者は、契約当事者とはなりません。申し込みをするときには、契約当事者がだれになるのかを必ず確認しましょう。
「利用規約・約款」は、その内容がそのまま事業者との契約内容となります。一般に、予約ページなどからリンク先の「利用規約・約款」を確認できるようになっていますので、支払方法やキャンセル条件などを必ず確認してください。
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旅行予約サイトでの予約・申し込みでは、店頭販売と違って消費者とスタッフが対面して説明されることは普通ありません。旅行取引のトラブルを防ぐためには、消費者自身が、旅行予約サイトに記載されている旅行取引などの内容をよく確認し、理解したうえで申し込むことが大切です。
トラブルを未然に防ぐために、消費者はキャンセル時の注意点などを確認し、きちんと理解してから「申し込み」ボタンをクリックしましょう。また、万一、トラブルが発生したときに備え、申し込み時の予約画面や確認メールを印刷するなどして保存しておきましょう。