連載ゴルフコラム『ヨシダの部屋』Vol.3 〜えくぼの秘密あげたいわ♪〜
♪エクボの秘密あげたいわ
もぎたての青い風
頬をそめて今走り出す私♪
二人ひとつのシルエット
(作詞:三浦徳子 作曲:小田裕一郎)
ご存知、松田聖子の『裸足の季節』の一節です。
僕だったら、この曲をゴルフボールのCMに使います。
ゴルフボールの表面はエクボ(ディンプル)の集合体ですから。
各メーカーが新商品開発にしのぎを削っていますが、
宣伝はイマイチだなといつも思うんですぅ。
ハードボイルドタッチなものが多いからこそ、
聖子ちゃんの歌声で「エクボの秘密あげたいわ」なんてぶつけると、
差別化が図れるんじゃないでしょうか?
というわけで、今回はゴルフボールのディンプルのお話。
ゴルフの起源を伝えるものの一つにカレドニアの詩があります。
羊飼いが杖で打った最初のゴルフボールは石だったようです。
石の次に用いられたのが木の実、
それからロクロで作った球形の木球になり、
今のゴルフボールの原型である“フェザリー”が登場するのが17世紀。
フェザリーは三枚革を縫い、袋にして裏返し、
シルクハット1杯分の羽毛を蒸して詰め込んで作る高価なものでした。
ゴルフが贅沢な遊びになり始めたのは、このボールのためとも言われているとか。
画像:Wikimedia Commons Photo by user:geni Photo of 6 Featherie golf balls
フェザリーの次にゴルフボールの材料に選ばれたのが、ある梱包材です。
温めると柔らかくなり、冷やすと石のように硬くなる素材で、
地面にたたきつけるとよく跳ねる。
ところが、試しにゴルフボールにしたところ、
ぜんぜん飛んでくれない。
根気強く試打を続けていくうち、
表面にキズが付くと、なぜかよく飛ぶようになることが発見されます。
そうして、ボールの型に刻み目をほるようになったのが
エクボ(ディンプル)の始まり。
釈迦に説法かもしれませんが、
ディンプル数が多いと揚力が高まり、滞空時間に寄与します。
しかし、過ぎたるは何とかで
ディンプルが多すぎると吹き上がってしまい、逆に飛距離が伸びないことも。
ディンプルの深さや大きさ、配置バランスは、
メーカーの創意工夫の凝らしどころです。
まさにエクボの秘密。
もぎたての青い風に乗って、
グングン飛んでいくボール
頬をそめて今走り出す私♪
ゴルフボールとプレイヤーは
二人ひとつのシルエット♪
自分にぴったりのエクボに出会いたいものです。
(編集部 yoshida)