連載ゴルフコラム『ヨシダの部屋』Vol.8 〜シックスセンスとゴルフセンス〜
僕にとっての夏の風物詩の一つが、怪談です。ちょうど夏休みだったか、
『怪奇十三夜』と銘打って、日本を代表する怪談が連続してテレビで放映されました。
小学生の僕は、チビる思いをこらえながら、画面に観入ったものです。
『牡丹灯籠』も『累ヶ淵』も記憶に残っていますが、
一番、怖かったのは『四谷怪談』です。
大人になって、ビデオで同じものを観ましたが、やっぱり怖かったです。
日本の怪談に比べて、洋モノはあまり怖くないというイメージがありますね。
でも、ブルース・ウィリス主演の『シックスセンス』は怖かったです。
これもだいぶん前の映画ですが、ビデオ屋さんで新作レンタルして、
夜中に一人で観始めたら、恐怖のドン底に突き落とされました。
ブルース・ウィリスだからてっきりアクション映画だと思っていたのです。
シックスセンスって、第六感のことだったんですね。
今でも『お岩さん』と『シックスセンス』は怖い映画の二代巨頭です。
人間には五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)があることはご存知かと思いますが、
「第六感=シックスセンス」とは、五感を超えた不思議な感覚や直感のことです。
近年、東京大と米カリフォルニア工科大などの共同研究でも、
人間に「第六感」とも呼べる無意識の潜在的な能力があることを示唆する成果が発表されています。
この研究は、地図なしで長い旅ができる渡り鳥のように、
人間も地球の磁気を感じる能力を持っていることを発見したというものでした。
そこでふと考えました。
ゴルフ場という自然そのものを相手にしているゴルファーにこそ、
シックスセンスが必要ではないかと。
ホールにボールを沈めるまでの軌跡は、
単なる身体能力だけで描けるものではありません。
地図なしで遙かな旅ができる渡り鳥のような方向感覚、距離感があってこその
“奇跡”なのではないでしょうか。
シックスセンスは、動物的な勘とも言いかえられます。
「ただ何となく」としかいいようがないあいまいなモノ。
本人にも理由がわからないものだけれども、なぜか確信的なもの。
こうした勘は、実は年齢とともに強くなるそうです。経験がものをいうからです。
タイガー・ウッズにしても、石川遼にしても、
その復活劇には、身体的なものよりもシックスセンスを感じるのは、僕だけでしょうか。
シックスセンスを磨けば、エイジシューターもきっと夢じゃないと思います。