世界の名プレイヤー 【今月のお言葉】No,31 ハリー・バードン
ゴルフを愛し、ゴルフの神様に愛された世界の名プレイヤーたちの珠玉の名言
ひたむきに練習した時、闘いに挑む時、勝利した時、思わぬ結果が出た時、あの日あの時、あのプレイヤーは何を思っただろう。
その言葉が生まれたのは、グリーンの上だったかもしれない、ふと空を仰ぎ見た時かもしれない、または何もしない時?
ゴルフの上達のヒントに。ビジネスの上でも、ひらめきのヒントに。
ゴルフを極めし者たちの生きた言葉を感じてみよう。
第31回は、
全英オープン6勝は今なお破られない大記録!
英国ゴルフ全盛期の「三巨頭」の一人。
“バードングリップ生みの親”
★ハリー・バードン(Henry William “Harry” Vardon)
出身:チャンネル諸島、ジャージー島
生年月日:1870年5月9日
没年月日:1937年3月20日(66歳)
方向性が悪いゴルファーはグリップに問題がある。
スイングのせいでないことに気づけば修正できる。
画像:wikipedia
チャンネル諸島・ジャージー島で生まれたバードンは、10代でキャディーを始め、本土からやって来たゴルファーを見て独学でゴルフを始めました。ゴルフのキャリアを追求するため18歳でイギリスへ渡り、スタッドリーロイヤルゴルフクラブでグリーンキーパーとして働いた1年後、20歳の時に、クラブプロになりました。ボタン付きのジャケット、ニッカボッカーズのネクタイ姿でゴルフをした最初のゴルファーと言われています。
現在でも、世界中大多数のゴルファーに採用されている「オーバーラッピング・グリップ」を実践した人物で、別名「バードン・グリップ」としても知られています。
バードンは、自作でクラブを作り、遊びで始めたゴルフですが、そのシャフトは薔薇の木で出来ていたといいます。削った棘の部分を握る時、どうすれば痛くないかを考え、これが「バードン・グリップ」の原点となりました。
「バードン・グリップ」は、右手の小指1本を外すことによって“右手4対左手5”という画期的で、しかも理にかなった理想的なグリップとなります。プロ・アマを問わず世界中のゴルファーの90%が、バードングリップを採用しています。
1896年、1898年、1899年、1903年、1911年に全英オープンで優勝。そして1914年と1900年に全米オープンでの優勝と、その才能の開花はめざましく、48のトーナメントと21のチームイベントに勝ちました。これは、ゴルフの歴史の中で、1人のプレーヤーがその時点で獲得したタイトルの中で最も多かったものです。
1974年、ゴルフ殿堂入り。現在のPGAツアーで、年間平均最少ストロークを出したツアープロ選手に贈られる「バードン・トロフィー」は、バードンの偉業を讃え、その名を由来としています。温厚な人柄の陰に隠れた日々の努力と研究姿勢こそ、ゴルファーたちの尊敬を集め、目標とされています。まさに「近代ゴルフの父」とされる偉大なゴルファーです。