保険のプロに聞く!「リタイアメント・プラン」とは?
今回は「リタイアメントプラン」=退職後の人生について見ていきたいと思います。
◆リタイアメントプランの考え方
1.現状を把握する・・・資産・負債・保険の加入状況・家計収支など
2.リタイア後をイメージする・・・暮らし方・趣味・ボランティア活動など
3.収入を見積もる・・・公的年金見込み額・保険の満期金など
4.支出を見積もる・・・毎月の生活費・自宅の修繕など
◆個人バランスシートを作成して現状把握
個人バランスシート(B/S)とはある時点の家計の財産状況をまとめたもので「資産」・「負債」・「純粋な資産」がどれぐらいあるのかを把握することができます。まずは、リタイア前(退職前)に現状把握を行うようにしましょう。
(具体例)
< 資 産 >・・・・・・A < 負 債 >・・・・・・・B
現預金 2,000万円 住宅ローン 1,500万円
株式や投信 920万円 自動車ローン 50万円
生命保険の Bの合計 1,550万円
解約返戻金 500万円
自宅 1,500万円 < 純資産 >・・・・・・・C
自動車 80万円 (A-B) 3,450万円
Aの合計 5,000万円 B+C合計 5,000万円
◆リタイア後の収入
リタイア後の収入の大部分を占めるのは公的年金です。総務省の家計調査によると、高齢夫婦無職世帯の実収入の月平均は約21.4万円ですが、このうち社会保障給付は約20万円になります。公的年金は年金の種類・加入期間・給与水準・生年月日などによって、年金額や受け取り開始年齢が異なる場合があります。まずはリタイア前に確認しておくとよいでしょう。また、あわせて年金額に影響を及ぼす年金加入記録の間違いや漏れがないかもチェックするようにしておくとよいでしょう。
◆貯蓄残高平均額
世帯主が60歳以上の世帯の貯蓄平均は約2,223万円となっており、2,500万円以上の世帯が約3分の1を占めています。ただし、貯蓄保有世帯の中央値は約1,522万円であり、一部の富裕層が平均額を引き上げている現状があります。
◆リタイア後の生活費
リタイア後の生活費は現役時代より減少すると考えがちですが、保険医療や旅行費用の金額が多くなったり教養娯楽の金額は変わらなかったりしますので注意が必要です。総務省の家計調査によると、月平均支出額は約24万円になります。収入よりも支出のほうが多くなりますので、預貯金を取り崩して生活を送る方が多いのが現状ではないでしょうか。自動車関連費用など固定費が削減できないか検討することが選択肢の一つではないでしょうか。
◆社会貢献意識の高まり
リタイア後の人生設計においてお金に関することだけではなく、「どのような生き方をしたいのか」を十分に考えておく必要があります。リタイア後に急いで「生きがい」を見つけようとしても、すぐに見つけることは難しいものかもしれません。リタイア前に退職後のことを少しでもご夫婦などで話し合い、イメージしておくことが大切であると考えられます。最近は、町内会などでの地域活動や自然環境保護に関する活動に参加するなど、社会貢献意識が高まっています。リタイア後は現役時代に比べ時間に余裕があります。ボランティアやサークル活動などを含めて、やりたいことを事前に探しておくと、有意義な時間として過ごすことができるのではないでしょうか。
≪根拠≫
平成25年総務省家計調査家計収支編P36
平成24年総務省家計調査貯蓄負債編P25
内閣府「社会意識に関する世論調査」(H26.1)
社会への貢献意識
日本年金機構(老齢給付について)