「プロのカタチ!~形態は機能に従う~」森田理香子プロに学ぶ、美しき「機能」⑤(終)
プロゴルファーの形態に注目し、その機能を読み解く新シリーズ、第2シーズンは、森田理香子プロのスイングに着目し、その「美しき機能」に迫る。
シリーズ最終回は、短いアプローチショットに組み込まれた森田プロのスイングの「機能」についてお話ししています。フェースを開くことで、得られるメリットを前編で確認しました。今回はその後編です。(前編はこちら)
◆短いアプローチショットに組み込まれた森田プロのスイングの「機能」(後編)
短いアプローチショット。フェースを開いてスイングしますが、最後は開いたフェースは閉じなければいけません。
そのときに発生するリスク。それは、 ・手打ちになりやすい。 ・手首でこねてしまいやすい。 この2つのリスクを森田理香子プロはどのように克服しているのでしょうか。
後編でこれを解説します。図と連動して理解していきましょう。
図の①で振り下ろされたクラブのフェースはまだ開いています。ここらフェースを閉じる作業が始まります。意識のポイントは2つです。
(1)クラブの軌道でフェースで閉じていく。
図の①→②の課程で、クラブの軌道に注目してください。①では、広く開いていた手と足の間のスペースが徐々に狭くなっています。つまり、クラブ軌道がアウトサイドインの軌道を描いていることがわかります。ですから、③ではフェースはしっかりと閉じてくれるのです。
(2)腰の回転を意識する
(1)で、アウトサイドインの軌道を意識しても、手打ちになってしまえば、意味はありません。それを防止するための「機能」が、森田プロのスイングに隠されています。
それが、腰の回転です。お尻の★印が①→②→③と経るにしたがってしっかりと移動していることがよく理解できるでしょう。
つまり、アウトサイドインの軌道は、腰の回転を上手に利用して生み出されているのです。言い換えると手はその回転に添えられているだけだともいえるのです。
フェースを閉じるという言葉には、手が「フェースを閉じる」というニュアンスが入っている印象がありますが、むしろ、腰の回転やスイングのアウトサイドインの軌道によって「フェースは閉じられる」ものであると理解するべきなのです。
森田理香子プロのスイングに組み込まれた「機能」は、それをよくあらわしています。